大判例

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東京高等裁判所 昭和40年(ネ)2377号 判決

一、商法二〇一条二項の場合、行為者と名義貸与者のいずれが株式引受人となるかについては学説の岐れるところであるが、この場合は行為者が株式引受人となるものと解するを相当とする。けだし商法二〇一条一項は、行為者の使用した名義の如何を問わず、――それが代理、使者またはこれに類するような特段の関係により、その効果が特に他人に帰せしめられる例外的な場合を除いては――当該行為に基く権利義務は行為者自身に帰属するという一般私法上の原則を当然の前提として設けられた規定であり、同条二項は、会社資本の充実を期するため、同項所定の場合には、行為者のほか更に名義貸与者にも株金払込の連帯義務を併せ課することにした趣旨であつて、同項はなんら、当該行為に基く権利義務が行為者に帰属するという前記一般原則を否定した趣旨でないと解されるからである。

二、元来株主総会決議の不存在ないし当然無効の確認を求める訴は――たとえその請求を認容する判決には対世的効力があるにしても(最高裁昭和三八年八月八日言渡判決、民集一七巻八二三頁参照)、決議不存在の事実は訴によつて主張する必要はなく、何時でも抗弁その他の攻撃防禦方法として主張することが許される――形成の訴でなく、確認の訴に外ならないから、かかる訴は、現在の法律関係を対象とし、かつ即時確定の利益を有する場合でなければ法律上許されないものである。ところで控訴人の本訴請求は、上記認定から明らかなとおり、すでに後任取締役および監査役が選任されその就任登記が経由された後に至り、それ以前におけるすでに退任している取締役および監査役の選任決議の不存在確認を求めるものであつて、右請求の対象は現在の法律関係ではなく、即時確定の利益は認められない。それ故、右請求は不適法として訴の却下を免れない。

(土井 兼築 高橋)

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